30年間という月日

コーヒーというツールでお客に信頼を得ることができた

昨年の12月。珈琲物語は北千住で営業を開始してから30年間が過ぎた。これはお客様に感謝感謝ですし、これまでアルバイト、パートをしてきて頂いていた仲間の皆さんにも感謝である。今年は31年目としてもう1か月少し経っているが、改めて30年間という月日を考えようと思ったのである。

30年前、今の北千住はターミナル駅になっているが、ルミネができたばかり、また、マルイはもちろんできていなかった。商店街のほう栄え、活気があり、浅草と変わらない下町風情溢れる街だった。国道4号線を超えた商店街には路面電車が走っていて、それを中心に昔ながらの商店街は活気にあふれていた。今となっては大学キャンパスなどができる街となり、活気の主役は町の人、よりも学生や、大手チェーンの居酒屋のライトがまぶしいが、30年前の北千住は人の明るい笑顔が活気つけてくれていたと懐かしく思う。

創業当初、親戚がたまたま千住にも多かったことから、本当にコツコツと目の前のお客様を大事にしてきた。今のように携帯電話もなければ、パソコンもあまり家庭には普及していなかった時代、どう店の売上を伸ばすかといったら、コーヒーを飲んでもらうこと。これ以外手段はなかったのだ。

今でこそ、土日の営業日には多くのお客様がご来店頂き、わざわざ遠方から来られる方も少なくない。「おいしいって聞いてきました!」という会話はありがたいことに何度も聞かせて頂きました。ここでは言いたいのは、やはり目の前のお客様に尽くすこと。

ハイテクでは伝わらない「温かさ」

当店はハンドドリップでお店では提供しています。マシーンのように、コーヒー豆を投入して、ガーーっと音が出て、紙コップに抽出するというスタイルとは全く正反対のアナログ体制である。一杯一杯コーヒー豆を挽いて、蒸らし、お湯をゆっくりと垂らし、有田焼のカップで提供する。時々カウンターに座られたお客様と、珈琲のウンチクを語りながら。

この地道ともいえる作業こそが、今でいう「口コミ」が「口コミ」を呼んでの連鎖反応で、30年間営業を続けさせてもらっている。本当にありがとうございます。そして私自身、もちろんここまでやってこれた感謝ももちろん、珈琲物語で珈琲を通して知り合えた人、毎日来てくれる、遠方から来てくれる、おいしいと聞いて駆けつけてくれる方々から、珈琲を通じて信頼を得られることは、自身がコツコツと頑張ってきてよかったなと思います。

これからも1回の焙煎に、1回の抽出に、大事にしていきます。