細部にこだわる~手抜きが味に出る~

ピッキングという豆との格闘

ピッキングとは、生豆(焼く前の豆)を一度見て、欠品豆(腐ってしまっている豆、欠けてしまっている豆、虫に食われている豆)等を手作業で取り除くという作業です。焙煎作業以外にも、コーヒー豆を選別するという作業があるんです。

なぜこの作業をするか?それは変な豆が混ざっていると「エグみ」が生まれてしまうんです。焼いてしまうとさすがの焙煎屋でも、元々の豆がどうだったか?等はわかりません。。なので、極力細かく見て、選別をして価値ある豆を提供したいと考えています。且つ、一杯に使われるコーヒーの豆の量は約10~12gとすると、コーヒー豆一粒がそういうエグみの生む豆だと、その一杯が台無しになってしまうんですね。なおさら力を入れなければなりません。

と、言っているものの、この作業ってすごーく地味な作業なんです。約200gずつをピッキングをし、欠品豆を取り除き、、というものをずっと繰り返す。集中していないとやはり欠品豆を見落としてしまいますから、神経を使います。

且つ、生産国によって、欠品豆が混入している量が、表立って明記されていないんです。国よっては豆の大きさで決めている国もあれば、高地で作られているものほどグレードが高かったり、それこそ欠品豆が少ないものほどグレードが高いなど、バラバラなのが実態です。ちなみに私の好きな「マンデリン」という豆は、鬼の欠品豆の量です。それはもう気が遠くなるほどの。。なので、「マンデリン」というストレートコーヒーは、自家焙煎珈琲店で飲む(評価する)のには一番わかりやすいコーヒーともいわれているんです。豆に対する丁寧な姿勢なのか、ローストはどの程度はここの店は好みなのか、、等、「マンデリン」でマスターの好みがわかる。ということです。

この「格闘」から逃げてしまうと、前述したようにコーヒー自体がまずくなる。そして、お客様においしいコーヒーを提供することができない。そしてそして、コーヒー通の人からは、すべて自分のコーヒーに対する気持ちがバレバレになってしまう。ということにイコールになってしまうんです。

逆に捉えると。。。

「ピッキング」を丁寧に間違いなくきれいな豆で焙煎することができ、焙煎もうまくいけば、確かな物を提供できるということなんですね。そう気づいたときからピッキングが楽しくなりました。

自分がおいしい!と思って飲んだコーヒーも、こんな背景があるから、あの幸せな時間を演出してくれたんだなと思うほど、ピッキングの重要性に気づかされました。この作業の時間はただの準備作業ではなく、その時からコーヒーに自分の命を吹き込んでいる時間なんだなと。みなさんも焙煎の裏の顔も知ると、おもしろいかもしれませんね。。。

さて、、次回は、、

「温度」の奥深さです。